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導入事例

スペシャルな何かが必ず見つかる

80%

パーソナライズによるメールマーケティング効果の向上

50%

メール 6,500 万件のパーソナライズによる反応率の向上

2.55 億 DKK

パーソナライズがもたらす四半期収益

CLOUD: Azure

デンマーク発のジュエリーブランド Pandora(パンドラ)は、長年にわたりそのデザインと技術力が高く評価され、今では、100 か国以上で年間約 6 億 7000 万人のお客様が、Pandora の実店舗とオンラインショップを利用しています。Pandora では、お客様のニーズに応え、オンラインでのエンゲージメントを高めるには、商品と同様にショッピング体験をカスタマイズすることが必要だと考えました。そのためには、カスタマイズされたメッセージをお客様に配信できるように、セグメント化、分類、分析が簡単にできる全てのデータの統合ビューが必要でした。Pandora はそこで、Databricks のレイクハウスプラットフォームにマスターコンシューマービュー(MCV)のダッシュボードを構築しました。このダッシュボードからメッセージのターゲティングに必要な知見を得ることにより、消費者エンゲージメントを高め、マーケティングメールの開封や購入までのコンバージョンを最大化し、オンラインショッピングによる収益が増大しました。

消費者データを活用したパーソナライゼーション

最愛の人にジュエリーを贈る。人生においてこれに優る重要なイベントはありません。婚約指輪や記念日のプレゼントなど、あらゆるジュエリーが、かけがえのない人との思い出になります。Pandora が目指しているのは、贈る人の思いを伝えるお手伝いです。手頃な価格で購入できる手仕上げのジュエリーを多くのお客様に提供し、パーソナライズできるジュエリーで、ひとりひとりの多面性と個性を表現し、忘れられないひとときを演出します。

このため Pandora では、カスタマージャーニーの全てにおいて、パーソナライズされた体験の提供に力を入れています。この取り組みの核となるのが、お客様とのやり取りで得たデータの活用です。Pandora では、商品情報を含む顧客プロファイル、オンラインとオフラインの注文、Web ページの利用履歴の 3 種類のデータを取り込んでいます。そのデータは膨大かつ複雑であるため、従来のデータソリューションでは効率的に管理することが困難でした。各チームが使用するプログラミング言語やデータへのアクセスレベルが異なるため、同じ視点で問題に取り組むことができず、チーム間のコラボレーションに支障をきたしていました。また、従来型のシステムは、複雑な機械学習(ML)モデルを構築してトレーニングするうえで、リソースを大量消費する手動プロセスを必要とし、これがデータサイエンスチームの足かせにもなっていました。Pandora のソリューションアーキテクト、データ&アナリティクス CoE であるヌーマン・アリ氏は次のように述べています。「我々の規模になると、データチームがデータを探索し、コラボレーションして分析を実行するには、データが複雑すぎました。また、チームへのデータ供給が難航していたため、分析を活用したイノベーションができませんでした。」

信頼性と性能の高いデータパイプラインを構築し、ダウンストリーム分析や機械学習のユースケースをサポートすることも、従来のインフラでは困難でした。これは、Pandora の市場投入までの時間を遅らせ、競争力を低下させるだけでなく、カスタマージャーニーをパーソナライズするという目標の達成も不可能にしていました。「ソースからエンドポイントにデータが届くまで、1 日以上かかっていました。適切にパーソナライズされたショッピング体験の提供には、よりシンプルで効率的なシステムを採用して貴重なデータを活用できるようにする必要がありました。」(アリ氏)

統合レイクハウスでデータチームを支援

Pandora は、データ処理システムのモダナイズにあたり、 Databricks のレイクハウスプラットフォームの導入を決定しました。簡単なオンボーディングで制約なくコラボレーションできるため、Pandora の各データチームで広く採用されました。一元化されたプラットフォームによって、BI アナリストなどのビジネスユーザーを含む複数のチームが初めてコラボレーションできるようなりました。アリ氏は次のように述べています。「Databricks の導入により、これまで異なるテクノロジーで異なるユースケースをそれぞれ展開していたチームメンバーがひとつにまとまりました。お互いの理解が深まり、容易にデータを発見し、データから得た知見を効率的に共有できています。コラボレーションがとてもシンプルになりました。」マーケティング担当者によるデータの利用も可能になりました。SQL の知識があまりなくても、データチームに頼ることなく必要に応じてクエリを実行し、Power BI を通じて分析結果を直接視覚化できるようになっています。

レイクハウスを介してデータの統合ビューを手にしたデータチームは、パーソナライゼーションなどのユースケースに必要なパイプラインを構築し、さまざまなステークホルダーに提供できるようになりました。Pandora の BI 開発者は MCV ダッシュボードを Power BI に構築しました。Databricks から直接データをパイプライン処理できるようになったことで、マーケティング担当者は 11 の異なるセグメントに属する消費者への理解を深め、情報に基づいてターゲットを絞ったキャンペーンを展開しています。

消費者体験のパーソナライズによるビジネス成果

Databricks のレイクハウスプラットフォームで業務効率が大幅に改善されたことにより、データチームが必要なデータを取得するまでの時間も数日から数時間に短縮されました。その結果、パーソナライズされた新たな体験をチャネル全体で創出し、バイヤーズジャーニーにおけるカスタマーエンゲージメントのあり方が変革されました。今では、パーソナライゼーションの取り組みを 8 つの主要市場(米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、英国、オランダ、ポーランド)に拡大しています。データを活用したパーソナライゼーションの取り組みにより、定型のニュースレターと比較して開封率が 50% 向上し、それぞれの顧客に合った商品を紹介するパーソナライズされたメールを年間 6,500 万件配信できるようになりました。

Pandora は、今後も Databricks を最大活用してパーソナライゼーションの成熟度をさらに高め、オンラインとオフラインの両方でより多くの消費者のニーズに応えていきます。「私たちの前には、オムニチャネルの真のパーソナライゼーションという大きなチャンスが広がっています。ある消費者が Pandora の Web サイトで何と何を閲覧したかを把握し、その点と点をつないで得られる新たな発見をもとにして最高のカスタマーサービスを提供すれば、店舗での売上を拡大することができます。これには、全てのデータチームによる完全なコラボレーションが不可欠であり、Databricks のレイクハウスが共通の基盤となります。」(アリ氏)