1955 年以来、TD Bank グループは、変化する世界において成功する自信を顧客とコミュニティに提供することを目指してきました。10 年が経過するごとに要求は厳しく、複雑さは増していますが、TD は一貫してこの課題に取り組んでいます。
このブログでは、Databricks 金融サービス&サステナビリティ部門 GTM グローバルヘッドのジュンタ・ナカイ(Junta Nakai)が、TD Bank エンタープライズデータテクノロジープラットフォーム部門 VP のジョナサン・ホランダー(Jonathan Hollander)氏に伺った TD における技術変革の事例をインタビュー形式でご紹介します。顧客体験の向上を支援するために分析機能を強化するよう設計された Delta Lake と Azure クラウドによる新しいモダンデータ資産への移行理由に焦点を当てています。
このクラウド化(モダナイゼーション)を通じて、TD は、技術スタックを簡素化し、顧客の成果向上のためにデータから最大の価値を引き出せるようになりました。
Junta:TD のクラウド化への発端と、このモダナイゼーションの取り組みに至った原動力についてお聞かせください。
Jonathan:多くの企業と同様に、クラウド上に新たなデータ環境を構築することを決めたときが TD の変曲点でした。金融業界の方向性に基づき、クラウドへの移行と開発環境のモダナイゼーションに資本を投入し、エンドユーザーに強化されたツールと機能を提供することが望ましいと考えました。
Junta:Delta Lake をどのように活用されているか、また、このアーキテクチャが組織にもたらした価値について教えてください。
Jonathan:現在、主にいくつかの重要な用途で Databricks を活用しています。1 つ目は、大規模データの取り込みとデータ変換のための高性能で信頼性の高いデータパイプラインの作成です。2 つ目は、Delta Lake を活用して、データに信頼できる唯一の情報源を提供することです。
Junta:データを連携させることで、TD はどのように下流分析や機械学習のニーズをより簡単にサポートできるようになったのでしょうか。
Jonathan:データを一元化することで、チームに迅速かつ安全なアクセスを提供し、正確で即時の分析結果を提供できるようになります。私たちは、エンタープライズデータレイクと精選された資産にデータを供給する 15,000 のデータパイプラインを整備しています。最先端のデータ可視化ツールを活用しているため、ビジネスコミュニティはインタラクティブなダッシュボードとレポートを通じて最新かつ正確なデータにアクセスし、より良い意思決定を行うことが可能です。また、一元化された Data-as-a-Service プラットフォームチームを立ち上げました。ここでは、記録システムからエンタープライズデータレイクへのデータ取り込み、ビジネスセグメントとエンタープライズ機能をサポートするキュレーションデータセットの開発、企業全体のデータ、分析、レポートをサポートするツールの管理などを担当しています。
Junta:Delta Lake に移行して、最も予想外だったメリットは何ですか?
Jonathan:それはリクルーティングでしょう。技術系人材をめぐる獲得競争はかつてないほど激しく、データエンジニアは最新かつ最高の技術を使いたいと考えています。 Databricks のプラットフォーム は、エキサイティングなユースケースに取り組む異なるデータチーム間のコラボレーションを可能にするユニークな機能を備えており、イノベーションを加速し続けるために必要な才能ある人材を TD に惹きつけるのに役立っています。
Junta:今後、データ分析と機械学習はどのようにビジネスを変革し続け、その過程において Databricks とクラウドはどのような役割を果たしていくのでしょうか。
Jonathan:Delta Lake と Azure を基盤として、TD は重要かつリアルタイムなビジネス上の意思決定を導き出し、新たな顧客インサイトを引き出すための絶好のポジションにあります。このビジョンに向けた次のステップには、ビジネス関係者やアナリストが業務を効率化して新しい市場機会を特定し、お客様のリスクを軽減するためのデータに基づいた意思決定を行えるようにする、強化されたセルフサービス分析機能が含まれます。さらに、Databricks をデータエンジニアリング、データサイエンス、ビジネスにおいて完全に利用できるようにすることで、ビジネス全体の業務効率を高める新しい最先端のユースケースが促進されます。また、パーソナライズされたカスタマーサポート、マーケティング製品やサービスといった新しい顧客中心のイノベーションは、顧客エンゲージメントレベルを高め、価値を高めます。
金融サービス機関における Databricks の活用の詳細は、金融サービス向けレイクハウスをご覧ください。